《聖書のことば》 ほほえむ 「あふれるばかり感謝しなさい」 (コロサイ人への手紙二・7) 「いつも感謝していなさい」 (コロサイ人への手紙三・15) 「すべての事について、感謝しなさい」 (テサロニケ人への第一の手紙五・18) 「ものが言えない私は ありがとうのかわりに ほほえむ 朝から何回も ほほえむ 苦しい時も 悲しい時も 心から ほほえむ」(水野源三) 強度の脳性麻痺で身動きできず手足も動かぬ水野源三さん。この三十年間まばたきすることと、ほほえむことだけの生活。信仰が輝いて溢れている。その彼の詩です。 (1979.5.20週報「キリストの福音」より) イエスは神である 新約聖書のマルコ一〇・17~31を見ると、そこにある青年がイエス様にたずねているところがあります。 「よき師よ、永遠の生命を受けるためには何をしたらよいですか」 イエス様がユダヤ古来の十戒を教えますと、「イエス様、私はその殺すなかれ、姦淫するなかれ、盗むなかれ……、そのようなことはみんな守っております」 日本人で言うなら、「わしは教育勅語のとおりにまっすぐに生きとる。信仰なんか不要だ。信仰などは、意志の弱い人間のすることだ」という具合です。 そこでイエス様は一喝される。 「お前には、もう一つすることが残っている。お前の全財産を売って貧しい人々にほどこせ。そして私について来い」 これで青年はおったまげて帰っていくのです。ここが、この青年の足らない処で、せっかく人生の良師に会いながら、自分の至らなさを見せつけられると、ざんげして更に随身の道を問うべきなのに、一目散に逃げていくのです。 ところで、この時このありさまを見ていた弟子たちの反応が面白いのです。口々に言う、 「それなら、だれが救われる事ができるでしょう。大変なこった」 イエス様は彼らをじっと見て 「人には出来ないことも、神には出来る――」 第一の弟子ペテロは、はっとして叫びました。 「そうだ。現にぼくらはこうしてイエス様についてきているではないか。親父も商売も捨ててついてきているではないか」 みんなも、目がさめたように一切をすててイエス様に従ってきている自分達に気づきました。 それなら、なぜあの青年はイエス様から逃げていったのでしょう。 あの青年がはじめイエス様に「よき師よ」と問いかけた時、イエス様の返事は実にそっけないのです。 「なぜ私を、よき師よと呼ぶのか。神ひとりのほか善きものはないのだ」 この返事は実に逆説的です。クリスチャンとはイエスを神と信じる者。そうすると、このイエスのお言葉は実に不思議で、禅僧が好んで使う謎のような「反対ことば」だと思っています。 ペテロが最初の出会いでイエス様にふれた時、その神性にびっくりして 「主よ、私を離れ去ってください。私は罪ふかいものです」 とひれ伏したものです。ペテロはイエスの神性にふれて一言のつべこべも言わずに従って行きました。「よき師よ」などと言っている、あの青年はイエスを当り前の人間、ただし一級の教師ぐらいに思っていましたから、けっして従って行き得ませんでした。 イエスは神であります。その彼の神的わざが働かなければ、だれもすべてを捨てて彼に従うなど出来るわけがないのです。 (一九七八・一二・一七礼拝説教「樹は熟した実を人に与える」より、吉田一行兄筆記、釘宮編) (1979.5.20週報「キリストの福音」より)
by hioka-wahaha
| 2016-09-30 23:00
| 週報「キリストの福音」
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