聞く耳のある者は聞くがよい イエス様は、群衆にむかって、よく譬話をされました。種まきの譬も有名です。 「種まく者が、種まきに出ていった。道ばたに落ちた種は人に踏みつけられ、そして空の鳥に食べられてしまった。ほかの種は岩の上に落ち、芽は出たけれど、日にあたって枯れてしまった。ほかの種は、いばらの間に落ちたので、いばらも一緒に育って、それをふさいでしまった。ところが、ほかの種は良い地に落ちたので、はえ育って三十倍、六十倍、百倍の実をむすんだ」 以上のように語ったのち、イエス様は声をあげて(真実心と熱意をこめて、ということです)、こう言われました。 「聞く耳のある者は聞くがよい」 勿論、だれも肉の耳はもっていましたから聞くだけのことは、みんな聞いていました。然し、イエス様が群衆の一人一人の心に語りかけたい真意は、誰が聞いてくれるでしょうか。 譬という文字の言を土に入れかえれば壁という字になります。譬はたしかに一種の言葉の壁であります。殆どの人が分ってしまったように思う。しかし実はその意味をあいまいに捉えているだけで、つきつめて問いなおされればよく分らない。譬話は、そういう反応をおこします。 よく考えれば、聖書も、この自然も、私たちの人生も、一種の「譬」であります。おおよそ分っているようで、実はさっぱり分らないのであります。 この時、弟子たちは、「この譬はどういう意味でしょうか」とイエスに質問したと、聖書に出ています。これは弟子たちの素晴らしい態度であります。 人間はしばしば知ったかぶりをするものであります。それ程でなくとも、この問題が自分には分らぬ、ということが分らぬのであります。それで、愚者であるのに知者のつもりでいたり、あるいは知者の格好をしたりします。人間は、自分の無知を知る事が知識のはじめである(ソクラテス)のであります。 イエス様の言葉は、学者の発表する研究論文や人生の先輩諸氏の経験談・処世訓の比ではないのでして、神のふところより出る生命の言葉なのであります。これを本当に聞けば(心の底に受け入れれば)、聞く人の新しい生命となり、その人を生き返らせます。 故に、「聞く耳のある者は聞くがよい」――― 人間の二五%は、イエスの言葉を聞いて、聞きません。馬耳東風(こんな言葉ご存知ですか)というやつです。 次の二五%は、表面意識では受け入れるのですが、底に「頑迷な自己中心」という岩があって、根をおろさせません。それで、信仰の根性がありません。忍耐ができません。ちょっとした試練にも敗退してしまいます。 次の二五%は、この世の快楽の誘惑によわいのです。あるいは金や生活の心配で、いつしか御言葉の成長をふさぐのです。御言葉の成長とは、私どもの心の中に、キリストの言葉が居住し滞在し増えひろがる事です。初期の頃、少し気をつけて草やいばらを刈り、御言葉の成長を助けてやりさえすれば、あとは御言葉自身の力で、雑草やいばらを圧倒します。 良き地とは、御言葉(キリストの言)がふさがれていない心です。あらゆる雑草やいばらの思想を御言葉の剣で刈りとりなさい。そして、しっかりと心の深みに御言葉をたくわえなさい。 三十倍、六十倍、百倍の実をむすぶ生涯とは、何とすばらしい生涯でしょう。 能力と祝福にみちた人生を望む者は、このイエス様の御約束に来るべきです。 そういう人は、イエス様の言葉を聞く人の中で二五%しかいない、と主は言われます。勿論この数字は一つの譬ですけれど、具体例としても、同じような数字が出て来そうです。あなたは、どの二五%のグループに属しますか。 ××君は、毎夜、毎朝、私どもを愛し、救い、成功せしめ給う主を見上げて、御約束の言葉を「叫び(コール)」しています。決して、この言葉を不信や不安や怠惰でふさぎません。確実に、日々の人生がかわってきます。消極心がなくなって、遠慮なくどこにでも行けます。確信ある生活になります。 さあ、みなさん、三十倍、六十倍、百倍の実をむすびましょう。 (1976.11.21「キリストの福音」より)
by hioka-wahaha
| 2015-06-23 16:51
| 週報「キリストの福音」
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