日の丸の旗
お正月が来ると、昔は祝日で各家共々に日の丸の旗を掲げたものだ。祝日と言っても昔はお正月の「四方拝」など神道的色彩が濃い祭日などもあって、私たちクリスチャンはちょっと遠慮したくなったものだ。 しかし、日の丸の旗は、こんなに単純で、簡潔、いや完結的で、すばらしいデザインはないと思う。手の加えようがない。 昔、小学校で習った、「白地に赤く日の丸そめて、ああ美しや、日本の旗は」という唱歌のメロディーが今でも耳の底に流れて、日の丸の旗は本当に良いなあなどと感じるのは、戦時教育を受けた者たちに共通の潜在意識なのか、それとも、単に年を取ったせいなのか。 内村鑑三は、「私は二つのJを愛する」と言った。二つのJとは、「JAPAN」と「JESUS」である。 私たち日本のクリスチャンは、当然のごとくイエス様を愛するが、それとともに日本を愛するものでありたい。 本当のクリスチャンは自分の祖国を真に愛するものである。経済力や軍事力を求めるのでない、真理において祖国を愛するのである。 日の丸を見ながらそんなことを考えた正月だった。《く》 【過去の週報より②】 (1971.9.26~1975.8.20) ■一九七一年一〇月一〇日(大分通信No.2) <五十才前> 私はもうすぐ五十才になる。 五十才と言えば、昔は「人生五十年」と言ったものだ。 ここあたりで、私に肉的人生は終りとしたい。 × × × 人間、年を取ると、グチっぽくなり、しかも、あきらめムードにおちいる。青年はそうではない。グチを言わず、あきらめもせぬ。 老人が意地を張って、私はまだ若いのだと口さきで言ってみたり、事毎に若ぶるのは勿論イヤだ。 肉体的に年とったのは本当だから、素直にそれを受け入れよう。しかし、その上で…… 私は、尚も青年の気ハクを持とう。青年の夢を持とう。青年の求道心を持とう。 <聖書に証されるキリスト> 私は、名も金も家庭も健康も友人もいらない。私は、神と共なる孤独を覚悟しよう。私は、ひとりぼっちでよい。真理を求めて、生きつづけよう。 教会が何と言おうと、聖書が何と言おうと、私の心の芯がナットクしないものに、盲目的にひれ伏すことはしない。それは真に、神の喜びたもう処ではない。 たとえ、教会の教え、聖書の言に背反しようと、内なる心に直指したもう神の言に従うこそ、信仰である。 教会や聖書に客観的真理の権威づけを委ねて、それに信頼するとき、その時信者と称する人の心は安泰かもしれぬ。しかし、それは教条主義的信仰であって、人まかせ信仰である。人まかせ信仰でなく、自分自身の信仰を持つためには、自己の心証を大事にせねばならぬ。 自己の魂の内証を捨てて、信仰などというは、姦婦の愛の告白にひとしい。 しかし、人が書や、教会による傍証を捨て、禅宗における如き師匠の印可の如きも捨て、全くひとり立って、自分の信仰を把持するとき、誰かそれが偽りの信仰ではあるまいか、悪魔に魅入られて異なる福音に陥っているのではあるまいかと案ぜぬものがあろうか。 そのような、おのれ自身に対する信仰的不安をふまえた上で、尚かつそれを乗りこえて確信させずにはおかない神的衝動に内より突きあげられて、私の信仰はたしかめられるのである。 * * * 聖書の言の前に這いつくばって、その権威の前に犬のように一語一句従っているというのはパリサイ根性であって、ドレイ的信仰である。 人が内的信仰に従ってイキイキと活きているその生活の中に、キリストを発見する事ができる。そのキリストを、聖書が一言一句証している、それが真の神の子の信仰である。 信仰とは、我らの中に活き給うキリストである。 聖書がキリストを証言してくれる。さかさの探索法を使って聖書の中にキリストを探そうとすると、活きたキリストは出て来ない。神話的、教理的、夢幻の如き、化石の如きキリストがでてくる、その意味では聖書は誤り多い人間の言である。 <神の存在を宇宙論的に説明す> 人間が思うということは、宇宙の一部が思うということだ。そのことは宇宙に思うという機能が潜在しているということにほかならぬ。(人間は間違いなく宇宙の一部であるから)。人間が記憶し感覚し愛し悲しむということは、宇宙にそういう心的機能があるということだ。 人間が人格を持っているということは、宇宙も人格をどこかにひそみ持っているということだ。 トインビー(英国の歴史哲学者)は、宇宙の背後に精神的実在を直感する、それは信じるがしかしキリスト教でいうような人格的神ではないという。人格的神でないという事が、ミケランジェロの絵のように肉体を持ってヒゲをはやしたような生物ではないということなら、そのとおりだが、人間の人格(ペルソナ)から推測できるような心的人格をも否定するならそれは誤りだ。 我々が知る限りにおいて、人間は現在地上に存在するものの中で、最も高度に進化した存在である。この人間の進化曲線の目に見えぬ過去、あるいは未来の極点に原因あるいは創造者としての神、到達点としてのキリスト、神の子の像を想像できないだろうか。とはいえ、やはり聖霊の啓示による外はない。 <神話の中における神> 「不思議の国のアリス」という誰でも知っている物語の中にでてくる話。何でも猫だったかな、そいつがニヤッと笑って、その顔が消えて笑いだけが残ったという話。 顔を消して笑いだけを残しておく、そういう映像を頭の中で描いてみると、理屈としては不可能な筈だが何となく分かるような気がする。 肉体を持たぬ精霊のようなものを空想するのは、そういう抽象力のせいであろうか。(つづく)
by hioka-wahaha
| 2011-01-11 15:59
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