御霊に燃やされる
―イエスキリスト福音の群夏期聖会― 去る8月12日~14日、イエス・キリスト福音の群の夏期聖会に、上木兄と同道して参加して参りました。会場はイエス・キリスト福音の群宮崎教会、講師は生駒聖書学院・学院長の栄義之先生です。 栄先生のメッセージは、クリスチャンたるもの、イエス様の御霊の賜物を頂いて、日々の生活に勝利せよという熱烈説教でして、心を燃やされました。亦、伝道の使命感に後押しされて、何処へでも出かけて行く、兵士的クリスチャンの姿を魂に印刻されて、武者震いさせられたことです。 いつもながら、宮崎教会の優れた設計の会堂に感嘆しながら、聖会の霊風に身を委ねつつ、2泊3日の日程を終えましたが、信徒の皆さんの親身なご奉仕に安んじて少々我が侭に過ごしましたが、感謝に堪えません。 最終日、上木兄に付き添って頂きながら、青島まで観光旅行の付録を試みましたが、何よりも青島の、あの不思議な波風岩の隊列に「自然の不思議な営み」と口ずさみかけて、「あ、そうでない、これこそ神様の妙なる恵みの御業」と称えたことです。 やはり、旅は楽しいですね。特に主にある旅は。信仰の友と共に、主を称えつつ往く旅は。《く》 (以下は1971年12月発行「我ら兄弟」第3号より) いのちの初夜(3) 友よ! ウェスレーは後にメソジスト教会をおこし、世界はわが教区なりと叫んだ宗教的偉人である。その彼がなんと答えていいか分からなくて閉口したのである。そして深い激しい不安が彼をおそう。 ハンス・ブルンスという人の「回心の前後」という本を見ると(新教出版社刊)、「回心の瞬間を知っている人はまれである」というが、(私はそれほどまれだとは思っていないが)、ウェスレーはその希有な例の一つであるという。 前述したように、ジョン・ウェスレーはモレビアン派の著しい信仰体験にふれて大きな驚きと不安におそわれて以来、さて、どれくらい期間がたったのか私は知らないが、それほど長い期間ではないらしい。一七三八年五月二四日「夕方私はあまり気が進まなかったが、アルダスゲイト街の集会に行った。誰かがルターのロマ書講解の序文を朗読していた。八時四五分ころであったか、キリストに対する信仰によって神がわれらの心の中になしたもう変化が語られた時、私の心が不思議にもあたためられるのを感じた。私は私のたましいの救いのためにキリストにのみ信頼したと感じた。私の罪と死から救い給うたという確信が与えられた……」かくて現在一千四〇〇万人の信者をかかえるというメソジスト教団の開祖(?)ジョン・ウェスレーが生まれたのである。 こういう例をあげればキリがない。アウグスチヌスの告白録を見ると、彼の回心の記録が出てくる。ルターの経験も有名だ。一世紀前のフィンニーが聖霊の注入をうけて回心したという話は有名である。 私は若い時より、切にこのような「救いの確信」を求めた。回心とは異常な霊現象ではなくて(それを伴うこともあるけれど)神に直接ぶっつかったような奥深い魂での経験である。汚辱にみちた人生、罪意識にさいなまされる心、神から全くみはなされたという魂のノイローゼからすっかり解放される(新約聖書で救いと訳されている原語は多く「解放」という言葉である)―――いや解放されたという確信が突然胸の裡にわきおこって来る経験、これを回心という。 キリスト教世界では次のようなことがおこりやすい。いや多くおこっているのだ。 「ただ信ずれば救われる。だから信じなさい」「ハイ信じます」―――こうして信者が製造される。彼の信じるというのは「神は実在する」という教理の承認であったり、信じたと思いこむことであったりする。「神は唯一なりと信ずるか、悪鬼もかく信じてわななけり」と聖書のヤコブ書に出てくる。そういう信じ方なら悪魔でもそう信じているのだ。 私が回心する寸前はこんな具合であった。「ただ信じなさい。信ずれば救われる」このキリスト教の常套語はまた当時の私の唯一の道標の言葉であった。「私はイエス・キリストを信じる信仰によって救われた」と、コリント人への手紙だったかな、聖パウロが書いている。この言葉が私の心を探った。私は自分がキリストを信じているのかどうか分からなかったのである。信じているなら救われているはずであるし、信じていないなら救われていないはずであるという論法である。ところで果たして私は信じているのかどうか。信じたいとは思っているが、またキリストが私の救い主であるとナットクし承認はしているが、そしてまた信じているとは思っているが、どうも信じているという確かさが無いのである。信じているという確かさは、救いの確かさである。それは前に述べたウェスレーが聞いた言葉「あなたは心の中に神の証しを持っていますか。あなたが神の子であるという証しを聖霊によってあなたの心に与えられていますか」ということと同じである。 今ここに、原田美実という人の個人雑誌「基督」第二〇号がある。ずいぶん古い雑誌だが、内容は今に至るまでも決して古くない永遠の真理の輝きを放っている。この人は始めキリスト教の牧師をしていて、のちに教会を出て(あるいは追い出されて?)独立伝道をしていた人で、ほとんど世に知られることのなかった快男子であった。 さて、今述べた雑誌のことだが、その号は特集号になっていて巻頭言から裏表紙の広告に至るまで一つのテーマを取り扱っている。いわく「キリスト教の信仰の根本問題――救のたしかさ」。その終りのあとがきでこう言っている。――「信仰信仰といいます。ただ信ぜよ、信ずる者は誰も、みな救われん、と太鼓を叩いて叫んでいます。然り、唯信ずるだけに相違ありません。しかしながら経験から言いますと、なかなかそうアッサリと行かんものです。ただ信ぜらるるまでは、なかなか、太鼓や歌調子では行かぬものです」 (つづく) (※以上は1971年の文章です。) 【おしらせ】 ◎小冊子「神は愛なり」・・・内容は昨年日岡だよりで連載しました「主の御名を呼ぼう」です。釘宮トミ牧師夫人の召天記念に、釘宮牧師の書き下ろしのあとがきをつけて小冊子化しました。印刷が少々粗くなってしまった分が残っています。ご希望の方に無料でお送りしますのでお申し出ください。(一冊は送料も無料)
by hioka-wahaha
| 2010-08-24 16:50
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