使命を負っての海外旅行を
観光旅行でも見学旅行でもない、貴い使命を果たすための海外旅行のお勧めです。 今、中国では、聖書は禁書です。中国政府の厳戒の眼が光っています。中国では隠れたクリスチャンたちが一億人と言われます。その多くのクリスチャンたちに聖書は行き渡っていず、中国大陸のクリスチャンたちは聖書に飢えています。 この方々に聖書を贈りましょう。この運動がなされています。宣教団でツアーを募集したりしています。この膨大の聖書の購入費を献げることもさることながら、これを中国に運ぶことの奉仕活動が求められています。 当教会からもこういったツアーに応募する人は居ませんか。実は残念で恥ずかしいのですが、牧師の私は目下参加できない事情にあります。どなたか、私の身代わりのつもりでも行ってくれますと嬉しいです。 できれば単身でなく2、3人の組になって行ってくださると、心丈夫だと思います。「何を情けないことを言いますか、神様がついていますよ」、と言われればそれまでですがね。でも主にある友情をもって小団体を組んで行けるなら、これは当教会として誇らしいことです。 牧師の私も段々年を取って来ましたから、いろんな面で牧師の後を追う信徒の皆さんが出てくれることを願っています。こうして牧師が居なくても、万事疎漏なくできる教会に成長してくれること、そして牧師の後継者の育ってくれることを神様は期待して居られると信じています。《く》 (以下は1968年執筆の「主の御名を呼ぼう」の連載です。) <主の御名を呼ぼう 16> 「わが心さだまれり、神よ、わが心さだまれり。われうたいまつらん、たたえまつらん。 わが魂よ、さめよ、箏(そう)よ、琴(こと)よ、さめよ。 われ黎明(しののめ)を呼びさまさん (詩篇第57編より)」 主よ、今こそ「わが心さだまれり」であります。あなたが迫り、あなたが包み、あなたが支えてくださる、そのあなたの愛に、私は今「おのが業を休む」(ヘブル書第4章10)のであります。それが、私の「死」でもあります。 「大死一番」などといって、「百尺竿頭」より一気に飛び降りるような、はなばなしいはなれ業ではございません。「小死千万べんのくりかえし」であります。 霊肉ともどもに、常に、またくりかえしくりかえし、また気づくたびごとに、あなたの愛に帰り、あなたの愛にとどまり、あなたの愛にいやされて生きるのであります。 大きな信仰に生きるのではありません。小さな信仰の積み重ねに生きるのであります。その信仰をもし大きくしてくださいますならば、それは主よ、あなたのご恩愛によります。私の信仰の量を私が大きくするのではありません。もし、何事かができますならば、その時、私は小さき僕であります。為すべきことを為したにすぎませんと言うほかはありません。なぜなら、それは主が為したもうたところだからであります。 主よ、あれを上手にやりたい、これも機敏にやりたい、でっかい仕事をしたい、成功したいと、パン食い競争でパンを求めるようにガツガツと始終飢えたるものの如く生きる、ああいう生き方は終りです。上手にやれようとやれまいと、テキパキできようとできまいと、大きな事業がやれようとやれまいと、成功しようと失敗しようと、人にほめられようと笑われようと、それはもうあなたの手のうちに委ねます。 人間の欲心を、神の前に持ち来たって、それを実現させるのが信仰と思い込み、その信仰にすがりついている人がいます。初信のうちはそれでいい、然るに、そういう信仰をエサにしてたくさんの人間をつりあげようとする、誤った霊的指導者もいます。他人事でない、私もそれをやりたい誘惑にしょっちゅうかられるのでした。 日本のプロテスタント、キリスト教界においては、<1>バルト神学流の弁証的緻密な頭脳の人々 <2>純福音派のように四重の福音などと信仰的プラグマチズムでたたみかけてくる人々 <3>原始福音や統一教会のように新法王を中心に霊能的、攻撃的な人々の、凡そ三大主流があるようです。別に<4>無教会の人々を考慮に入れてもよいですが。 然し、私どもの信仰は、<5>イエスの愛に生きるという、単純にして素朴なる神秘主義であります。天界を見たとか、見神したとか、エクスタシーに入るとか、予言するとかいう、そういう濃密な神秘主義ではありません。主の御名をお呼びして(それも称名か題目のように行的に唱えるのではない)主の臨在を仰ぎ、主の愛の栄光の中に、おのれを置くという、簡素なる神秘主義であります。イエスの愛の中におのれを休め、おのが業に死にきるのであります。 昨夜、妻が来て、 「祈っても祈ってもある一線をつきぬけないのです。残念でたまらぬ。どうしたらいいのでしょう」 と言います。 昨夜の私は前述のように、心の中は区画整理工事のさいちゅうでしたから、それどころでない。苦笑するのみで、何も答え得ません。 「その儘でいいさ」 と実に無責任な返答。 「その儘でいいって、それならあなたもその儘? あなたが入院している間、私たちはそれぞれ別れて、何か神様のお取り扱いをうける重大な時と思いました。私も会社の仕事や、新工場の建設といった雑事殺到の中でも、祈っていて不思議な平安と力にみたされてはいるのです。しかし、もう一つ何か足りない。神様にひたとじかに密着するものがほしい。」 「…………」 「あなたのほうも、この二、三週間の入院の中で、少しはかわるかと思えば、あまり変わった様子もない。果たして、このままでいいのでしょうか。」 (つまり、大体、チットは祈っているんですか)という表情です。妻も、ある境地を求めているということが分かります。 夫婦は不思議なもので、別に話し合わなくても、よく同じ道行をたどるものです。別稿の「断絶」を書いた頃も、妻がいきなりイエスの「事おわりぬ」について私と全く同様の感想を人に語っているのでびっくりしたものです。 ともあれ、妻から 「少しも変りばえがしない」 と責めたてられても何ともはや致し方ない、頭をかくのみです。 「本当にそうだなア」 と、今それを思い出して感慨に胸が迫ります。別に気分も高揚せぬし、昼にちょっと帰宅して、祈祷会を司会していても、以前のとおり、というよりは以前よりは気勢が上がらぬくらいです。病気以来、スタミナが落ちて、人為的(?)に気分を盛り上げることが下手になったせいもあるかもしれません。(つづく)《く》 注・文中のできごとは1968年のことです。
by hioka-wahaha
| 2009-09-29 13:13
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