No.792 《聖書のことば》生きているキリスト/聖句暗記のおすすめ(2)/イエスの断食 2017.3.19

《聖書のことば》聖書暗記コースA~2 
生きているキリスト

キリストが中心「生きているのは、もはや、わたしではない。キリストが、わたしのうちに生きておられるのである。しかし、わたしがいま肉にあって生きているのは、わたしを愛し、わたしのためにご自身をささげられた神の御子を信じる信仰によって、生きているのである」(ガラテヤ人への手紙二・20)
 
 禅の世界的紹介者であった鈴木大拙はこの聖句の前半をとって、これこそすべての宗教の真髄である、と言いました。しかし、この御言葉の持っている真理は禅以上です。鈴木大拙の未だ知らぬ所です。
 キリスト様、神のひとり子なる、あのお方が、個性的に、人格的に、私の内に生きて下さること、この事実こそ、キリスト教です。
(1980.4.13週報「キリストの福音」より)


聖句暗記のおすすめ(2)

 暗記は暗唱から。暗唱は熱烈反復、声と身ぶりで。
 学問することを、日本人は「勉強」という。「強(し)いて勉(つと)める」わけだ。始めから、学問はつらい事と恐れている。――さて、ユダヤ人は学問することを「ミシュナー」と呼ぶ。反復・復唱のことである。ユダヤ人は、数千年前の昔から、聖書を反復して、その文字に指をあて、目で読み、口で唱え(抑揚をつける)、その声を自分の耳で聞き、体をゆりうごかし、全身全心を用いて暗唱する。これがユダヤ人の秘訣である。
 脳のシナプス作動は、反復するほど、電気抵抗をへらして微電流の流れが良くなる。記憶力は筋肉に似て訓練で必ず強くなり巧みになる。覚えかたが上手になるのである。今、日本語をしゃべれている人なら心配はない。記憶力は充分である。自信をもって聖句暗唱を始めなさい。
 毎日、少時間の練習。継続が大事。腹の底から、しっかり声を出す。熱烈に感情をこめよ。手ぶり身ぶりを加えよ。一句一句をマスターして次の一句に移る小刻み前進だ。一度覚えた聖句は何度も反復暗唱して脳に刻みこむ。人に聞いてもらえ。お世辞でもよい、ほめてもらえ。早速未信者に語って聞かせよ。(1980.4.13週報「キリストの福音」より)

 
イエスの断食

荒野
 人は、一人前になるためには、訓練を必要とする。「全き人、イエス」は、その例外ではない。聖霊はイエスを荒野へ追いやり(マルコ一・12)、サタンは彼を試みる。荒野は神の子の教室である。失敗、貧乏、病気、離散、すべて、これ人生の荒野である。
 荒野という言葉は、ヘブル語では元来「語る」という動詞から出ているのだ、と言う。荒野とは人も居らず、声も無い所のはずであるが、そこである少数の人人は神の声をきく(沢崎堅造「新の墓にて」一七一頁)。しかし、その前に、まずイエスが聞いたのは、サタンの試みの声であった。それが、やはり、荒野というものであろう。

餓死直面
 イエスの四十日四十夜の断食は、パンも水も口に入れぬ徹底的断食ではなかったかと思われる。健康法や精神統一のための計画的断食ではない。聖霊に追いつめられ、荒野の真っ只中でさせられている断食である。その後にくる空腹は、二、三日断食して「おなかがへった」という程度の空腹なのではない。餓死寸前の恐るべき断食である。私たちが時々やる、断食祈祷とはおよそケタの違う断食、死に直面した断食なのである(マタイ四・2)。

石をパンに
 「石をパンにせよ」とは、イエスにとっては空想的誘惑なのではない。神の子キリストにとって実行可能な「石をパンに」という誘惑であって、すぐにも手が出そうな誘い文句なのである。出来もせぬことを、幻想して白日夢のように脳裏に描いているのとは違うのである。

パンによらず・・・・・・
 「人はパンだけで生きるものではない」、この言葉を、餓死に直面してイエスが使われる時、そこに、異常な緊迫感と拒否権発動の示威を感じる。今にも死に崩れいきそうな体を、神の言のみで生かそうとするイエスの決意が見られる。「人はパンも必要である。神の言も必要である」と言う、二股かけての言い方をして一面、肉体人間の現実を了解しつつも、御自分の身の処しかたとしては、パン必要主義に一歩もくみしない、イエスの中にある「荒野の声」が、ここに聞える。

一つ一つの神の言
 ここで、神の言というのは、単なる聖書の言葉というより、神の口から直接語りかけられる──それはけだし、荒野こそ、それが語られる最もふさわしい場所である──一つ一つの、体験と具体性に即し、身魂に刻みこまれる神の語句(レーマ)なのである。この神の語句(レーマ)こそ、クリスチャンの真のパンである。(一九八〇・四・六祈祷会)
(1980.4.13週報「キリストの福音」より)


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by hioka-wahaha | 2017-03-31 10:30 | 日岡だより
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