No.591 真理は自由を得さすべし(四、永遠の充足) 2013.5.12

「神の息よ吹け」1974年7月号
-「心に満つるより」改題・通巻第10号-


真理は自由を得さすべし 
 
四、永遠の充足
 最近、新聞やTVに出た。マルチ商法の某外国化粧品。一流の集団回心で、コロコロと有力幹部が生まれる。帝人の大屋晋三の言う「興奮管理」。つまり「経営のコツは一つ。全社員をいかに常時、興奮状態においておくかという事だ」の由。この興奮管理で酔いしれているうちはよい。一朝にして目ざむれば、借金の山。不義理の群。そこで頭をかかえこんで、神経衰弱・強迫観念・恐怖心のかたまりの見本に転落する。―――それが半月前のH君。
 八月十四日十五日の二日間。私と彼の二人で集会室にこもる。終日、聖書朗唱、講義、坐禅、祈祷。この二日間で少し立ち直るかに見えたが結局ダメ。聖書の言葉も、必死の祈祷も、それが人間の声や心であるまでは到底ダメ。一週間たった。心は最低に落ち込んだ。二十一日の夕刻。心に不意に光がさし込んだ。絶望より希望へ。暗黒より光明へ。悶々より歓喜へ。早速、義弟を一人引き連れて集会に来た。先生がおらぬでもよい。一人でお祈りしようと思ったという。これは何か。声や言語ならぬ、生命のことばが彼の心にさし込んだのである。一人で魂の暗夜をさまよい苦しんでいた彼を、解放したのである。
 「われも罪せじ、往け!」
 と、この兄弟を再びこの社会に勇気と謙遜をもって立たせるのである。
 最近、もう一人の姉妹が来た。この人も極度の恐怖症。一度面談したら(カウンセリング)、久しぶりにその夜はよく眠れ、次の日も元気に働けたという。この人はまだ本当の「生命のことば」にふれるには少し時間がかかりそう。しかし、その手がかりがつかめたのはうれしい。
 現代の日本は一億総興奮管理社会。日夜性ホルモンを打たれ、仔供を産みつづけて、狂い死にしていく人間牧畜社会。この狂騒の群について行けず、人にもみくちゃにされ踏みにじられて囲いの外に逃げだしもできぬ。恐怖症、神経過敏の人達。
 この人達を、救うと称して、更にあくどく金や幸福の看板をみせびらかして、あくなき暴走心理に導く宗教や心理学、成功主義がある。これは、「おのが腹を神となし、おのが恥を光栄とする」(ピリピ三・19)悪魔のまどわしの哲学なのである。
 人間を真の魂の向上と聖化にむかわしめ、永遠の霊の充足を与える救は、キリストの福音以外にない。(一九七四・八・二五の聖書講義の抄稿補正 八・二七筆記)
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by hioka-wahaha | 2013-05-25 19:22 | 日岡だより
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