No.526 イエス・キリストの信仰 2012.2.5

イエス・キリストの信仰   
 
 先週の本欄で、相良姉の証詞に続けて小生(釘宮)の付け加えた文章の最後に、私の回心の「丸写しの信仰」という言葉を載せました。少しコケおどしの言葉に見えやしなかったかなと思いますので、以下に補足文を書かせて下さい。
 それは、私の単純なキリスト体験とも言えます。私の初期の伝道は私自らのそのキリスト体験を語る外はなかったのですから。ですから、当時の私によってイエス様を信じる信仰に入った人たちは凡て私の入信の証しを聞いて信仰を持った人たちです。
 私がキリスト体験と称する信仰を与えられたのは1944年(昭和19年)11月23日です。その午後6時頃だったでしょうか。場所は福岡の刑務所で、その厳正独居房に私はいました。刑務所に入れられたのは、私が非戦論をしばしば集会などで語ったことと、実際に兵役の召集を受けてそれを拒否する姿勢を示したことにより警察に検挙されたからです。
 ともかく、そうした異例な罪名の囚人だったからでしょう。刑務所に行くと、実に有り難い経験をしたのです。独房にはいり、カトリックの厳密な修道僧そっくりな生活が始まります。
 私は日々、ただ独り、刑務所の規則通りに寝て起き、食事、排泄。衣服の着替え、お風呂は1週間に2回だったかな、一人一人個室のお風呂に入れられますので、有り難かったです。又、1ヶ月に1回、図書を2冊借りることが出来ます。聖書は申請してもなかなか貸してくれなかったけれども、結構昔のキリスト教の本などがあって、喜んで借りたものです。図書係の囚人さんも私を見て喜んでいました。
 ところで、昭和19年11月19日、日曜日です。刑務所では免業日と言って休業です。私は朝から独り坐ったまま、祈りました。そして翌日も座業の仕事はしますが、仕事をしながら、祈りました。
 私は己が魂の救いを求めて、得るところがありませんでした。絶望しました。悲惨でした。その悲惨さは11月23日まで続きました。食事なんか摂れませんでした。その夕刻になりました。私はイエス様を求めて、どこにも見出し得ませんでした。幾ら祈っても、確信が湧きませんでした。
 そして11月23日になりました。当時では秋季皇霊祭という祭日、作業は休みです。ですから、この日は朝からずっと祈り続けました。必死になって祈りました。信仰の確信が欲しかったのです。
 確信というのは、私の身代わりとして死んでくださったイエス様のお陰で、私は罪を許され、もう死んだら天国に行けるという信仰です。それはイエス様の贖いの死の故に、私の生まれながらの罪が全く許される。私はイエス様の死によって全く許され、天に座すことが出来る。
 その恵みの確信が11月23日の夕刻に突然私の上に舞い降りたのです。側に時計があったなら、その時刻も分かったのにと、長い間残念でたまりませんでしたが、とにかくそのように確実にしっかりと信仰が私の魂に湧いたのです。
 その時の御言葉は、よく私は語リますが、ガラテヤ書第2章20節です。当時は文語でしたから「われ最早生くるにあらず、キリストわが内にありて生くるなり」、この御言葉により、私の魂はでんぐり返ったのです。
 古い私は死んでしまいました。そして、私の内には新しい私が生まれていました。それは私にして私にあらず。新しき人、イエス・キリストです。この方が私の内に新生なさって居たのです。
 それは明確な体験でした。新しい人格が私の内に生まれていたのです。私はガラテヤ書第2章20節のお言葉を思わず告白していました。「最早われ生くるにあらず。キリストわが内にありて生くるなり」。
 愚かで汚れ果てし私を、その侭に見出だし、信じ、ご自身のものとして抱きとめてくださった。ああ、イエス様こそ私の救い主、私はイエス様を離れて何処に行きましょう。天上天下、イエス様の外に私を託すべきお方は外に無い。私は御前にひれ伏して、主を拝し、私の一切を主に託すのです。
 この時、はっきり分かったのは、私の生れながらの醜き罪の一切は、主イエス様が御自ら背負い、陰府の審きの火をくぐり給うて、負い給い私の罪の凡ては消えた、私の重荷は無くなった。私は全き身軽な清い者になっていた。この驚くべき変身は私を全き自由な者にして下さった。これはイエス様が私を救い給おうとして抱かれた信仰と、その献身の結果なのである。
 よく教会で「信仰、信仰」というけれども、私どもの信仰はイエス様に由来する。イエス様こそ信仰の主であられる。
 私たちは「イエス・キリストを信じる信仰に因って救われる」というのは信条的に言って正しいが、もっと真理に沿い、事実に沿い、真実を言えば、「イエス・キリストの信仰に因って私どもは救われる」のである。
 もっと分かりやすく言うと「主イエス様のお持ちになっておられたイエス様の信仰によって私どもは救われる」のである。《く》
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by hioka-wahaha | 2012-02-07 17:17 | 日岡だより
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