キリストわが内に生くるなり
相良佐枝子 昭和三十四年の今日(十月二十一日)、私は当時、大分交通につとめていて、バス通勤していました。 その日も、一日の勤めをおえて、現在の一〇号線大分大学のあたりを通っていました。客が多くて、私は運転席の後ろの柱にもたれてぼんやりしていたのです。 その時フト気がつくと、同乗の見知らぬ乗客の一人一人がいとおしくいとおしくてたまらない自分なのです。 かき抱きたいような愛の感情がわきおこってくるのです。どうしてこういう心になるんだろうと私は非常にいぶかりました。すると突然、 「我キリストと共に十字架につけられたり。もはや我生くるにあらず、キリスト我が内に在りて生くるなり。今われ肉体に在りて生くるは、我を愛して我がために己が身を捨て給ひし神の子を信ずるに由りて生くるなり。」 (ガラテヤ二・二〇) この御言葉が、私の全身全霊を全く占領してしまいました。その時、私の足もとに私の古い死骸が黒々と横たわっているのがありありと見えました。そして私を愛するキリストのうるんだ愛の御眸をまざまざと感じたのでした。 このあと、バスを降りてからどうして家に帰ったのか何一つ覚えていなかったくらいです。 その後、神様は仕事や家事の中で一瞬一瞬教えて下さいました。これまでは限りある世界に生きていましたけれど、その時より永遠という感覚によって生きるようになりました。 今まで、この目で見ていたものはすべて影であり、今こそ真実の栄光を見ているのだと分らせて頂きました。 それより二十年、御恩寵に引きくらべてあまりに怠惰にすごしてきたと反省しています。悔い改めて益々御言葉に従い生きたく存じます。 最後に、私の特愛の聖句を載せさせていただきます。 「神もし我らの味方ならば、誰か我らに敵せんや」(ロマ書八・三一) 「二羽の雀は一銭にて売るにあらずや、然るに汝らの父の許しなくば、その一羽も地に落つることなからん」(マタイ伝一〇・三〇) 「彼はこの神、すなわち、死人を生かし、無から有を呼び出される神を信じた」(ロマ書四・一七) 「あなたがたの会った試練で世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試練に会わせることはないばかりか、のがれる道も備えて下さるのである」(第一コリント一〇・一三) (一九七九年十月二十一日、日曜礼拝にての証し) 去る4日に天に召された相良佐枝子姉妹の残された信仰の証詞を、お載せしました。 かつて「回心記」という題の本が出たのは戦前でした。石原兵永先生の文章でした、私は、初めて「回心」という言葉を知ったのです。その本には「回心経験なくてはキリスト教は分からんよ」という内村鑑三先生の言葉もあり、それが私が切に回心を求めるきっかけとなりました。この事は何度もあちこちで書くので恐縮なのですが、特に聖化の信仰や神癒等の賜物の付与を体験する経験も大切ですが、それでもまず「イエス様による義認の信仰」が第一の大切な回心だと思います。この点では、とにかく私に取り、石原先生の「回心記」は最大の恩恵でした。この本によって、私は信仰の真っ先の基本を学んだと思います。 相良姉妹は私の伝道の初期の頃の人ですが、正に私から「丸写し」に、私の回心経験を掴んでくれたと思います。木南姉妹や私の妻トミさんなども、この「丸写し」の信仰を掴んでくれたのでした。これは伝道者として限りない恩寵です。《く》 いのり 神様よ! 旧約の聖徒は申しました。 「エホバは活(い)く!」と。 まことに、あなたは活く、我もまた活く。 「すべてのものをもて、すべてのものを満たし給う方が、満ちみつる処」であるこの神的宇宙(かみのからだ)の一細胞であるこの私に満ちみつる霊(かた)よ、あなたが私の内に満ちみちていられることを知られるとき、私は「あなたはまことに活く、我もまた活く」と告白せざるを得ません。 あなたが私の中(うち)に盈満(えいまん)して、私は「神の幕屋」「キリストの幕屋」であります。私は張り子の人形のように、弱くおろかしくありますが、しかし「もはや我生くるにあらず、キリスト我が中(うち)にありて生くるなり。」私の中に満ちみつる方のイノチに、私が活(い)かされて日々の生命をもやすのであります。そこで私は力づき、希望に満ち、まことの信仰に再生するのであります。アーメン。 <つづく > (1973.12「心に満つるより」No.3より)
by hioka-wahaha
| 2012-01-31 17:35
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