敗戦記念日を覚えよ
私は八月十五日を「終戦の日」と呼んだことは一度もない。「終戦」と呼ぶのは重大な間違い、あの八月十五日、我々日本国民が等しく体験したのは、「敗戦」であった。 さて、あの戦争を何と呼ぶか。当時は「大東亜戦争」と呼んだ。今は、政府も新聞も、多くの日本人も「大東亜戦争」とは時代錯誤であるとして、容易に呼べない。そして「太平洋戦争」などとアメリカさんの真似をして命名する。確かに、あの戦争はアメリカにとっては太平洋に主権を握ろうとする尤もな意気込みのある命名である。しかし、日本にとっては相応しくない。 日本にとっては日清戦争以来の東アジアにおいて主権(少なくとも主導権)を握りたい、その野心に相応しい命名は「大東亜戦争」である。当時の日本政府のこの命名は間違いなく、あの十五年戦争の意図をよく表現している。十五年戦争とは昭和六年の満州事変以来の継続せる支那大陸における日本軍部の軍事行動をさす私の用語です。 昭和十六年、十二月八日の真珠湾攻撃は、その戦術上の巧みさは誉めてよいとして、大東亜戦争を太平洋戦争に拡大してしまったのは失敗です。 私はしろうとだから、言葉はもっと控えたいのだが、ともかく当時を覚える者として是非とも言っておきたいことがあります。 あの真珠湾攻撃、マレー冲開戦、あのとっぱなの戦果の痛快さ。あの時、手を打って喜ばなかった国民は一人もいなかっただろう。 当時、アメリカの日本に対する石油輸出禁止等、日本の死命を制するような執拗で侮蔑的な対日政策に欝憤を抱えていた日本国民のすべては、真珠湾攻撃、マレー冲開戦の戦果には、こぞって歓呼の双手と声をあげて喜んだものである。よもや当時の人々、これをお忘れではあるまい。 非戦論者としての私の変遷 私は内村鑑三の影響を受けて、少年時代から絶対非戦論者であった。しかし、アメリカからの戦略包囲を受けると、愛国少年として内心的に非戦論の維持が難しくなる。まして広島・長崎の原子爆弾を受けてから、尚更のことだった。 かつての日本軍部は支那大陸での戦争においては、一般市民に対する無差別爆撃攻撃と陸軍の駐留時において食料調達など無慈悲であったことは、復員してきた兵隊さんから、よく聞きました。そうしたことを、前線において反省し中止しようとする気配も努力も無かったようですね。 そうした時代においても私の非戦論は、その主張は鮮明であった。しかもアメリカが、広島や長崎において、強烈な原子爆弾という全く非人道的な新式爆弾を投下し、日本の都会の数十万の一般市民にも無残な死を与える蛮行を行った時にも、私の非戦主義は変わらなかった。 アメリカを良心的で民主的国家と呼びたいけれどあの広島、長崎の原子爆弾投下の事実を考える時、そして後のベトナム戦争の様相を聞く時、やはり疑問が起こるのは、どうしようもない。 かつて、日本軍人が対支戦争において、支那の皆さんを劣等民族視してチャンコロと呼び、これを殺すことに何等の良心的痛みを覚えなかったらしいことよく似ていると思える。 ここで懺悔、告白します。上に書いた日本人が隣邦民族、特に支那、朝鮮の人民に対して持っていた理由なき侮蔑心の醜さのことですが、当時の私たち一般市民にも(この釘宮さえも)確かにそれが心に内在していたことです。 私たち日本人と隣国の人々との容貌について 戦前、昭和十年前後、私は十三歳の少年の時代である。わざわざ意識して視るわけではないが、朝鮮の人を見る時、自分たちよりも低い民族のように見えた。今、このことを書くのは非常に申し訳なく感じる。当時の私たちの正直な感じを申しのべているに過ぎない。 それに、あの頃は、朝鮮や支那の人たちの顔は一瞥してすぐ分かった。逆に彼らから見れば、私たち日本人もそのように一見して、日本人だとして識別できていたに違いない。 この点、驚くのは、現代の私たちは、日本人、朝鮮人、支那人、お互いに顔だけでは識別が非常に難しいように思う。 最近の韓国映画などを見ていると、一見して俳優の皆さん、私たち日本人と少しも変わらない。 私はテレビを見ているだけで、言っていることなのだが、私にはそう見える。もし、皆さんとは異なっていたら、私のいうところは私の錯覚であるから、教えてください、私は訂正する。 ともかく私には顔や歩きぶりなど特に韓国の劇映画では、日本の俳優さんと韓国の俳優さんと、少しも違わないように見える。これはどうした事か。私は驚くのである。 それぞれの社会文化、文明度、風習、生活様式が似てきたからではあろうけれど、人々の容貌、話しぶり、歩きぶり、すっかり似てしまっている。 国別の見分けが付かないというのは、私の識別力が劣っているのか、どうか。何か不審を感じてならないのである。 しかし、私は神様が私たち中国、韓国の民族に日本民族を加えて、何事かを地球上になさしめようとされる御旨を感じる。 * 世界の終わりは近づいている。「世界が平和だ、平和だと、言っているうちに、世界に突如として滅びが襲って来るであろう」と聖書は言う(第一テサロニケ五・三)。 今、事実、世界は平和である。今、平和運動は盛んだが、なぜ平和運動をしなければならないのか不思議に思えるほど、今の世界は平和で、しかも小国間の地境争いはともかく、大国間において戦争の起こりそうな気配は全然ない。 戦争が起こっては困るのが今の大国間の事情である。国家や国民の経済は平和を欲している、今戦争が起こったら困るし、また戦争せねばならぬ切羽つまった事情は何一つない。今はそういう時代である。 これはしろうとの私が言っているだけで、世界でも、専門家でも、だれ一人言っていないよう気がする。私は気が狂っているんだろうかと、心配でならないのだが……。 (追記、冒頭にあげた容貌的東洋人の一致観は将来における東洋人の民族一致を予想させますね。)《く》 〔あとがき〕 鳥栖での九州リバイバル聖会、大変恵まれました。最後には私が思いもかけず、大声を発して閉会の挨拶をしました。なんであんな声を出したのか見当がつきませんが、ただ私も興奮していたことは確かです。▼帰途の高速バスで、渋滞が続き、運転手さん、なんの説明もしません、私が運転手に聞いたら由布院に霧が発生していてすべての自動車がゆっくり運転なんです、と言う。私は車掌ではないけれども、その情報を乗客に伝えるという役目を自ら買って出て、おしゃべりしました、どう考えても私が車内で一番の老人だったと思われるのですがね。▼昔、私の通った商業学校で「いらぬ世話係長」とニックネームを奉られた先生がいましたが、どうも私もその一人になったのか、「いらぬお世話係」になっちゃったと顔を赤くしました。《く》 (「主の御名を呼ぼう」の連載は今週は休みます)
by hioka-wahaha
| 2009-08-19 10:37
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